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ガリウム化合物
概要
ガリウムは化合物半導体を製造する上で重要な材料となります。GaNのエピタキシャル層の成長には化学気相成長(CVD)が用いられることが一般的で、CVDに使用されるガリウムの前駆体(トリメチルガリウム)は、通常、高純度の三塩化ガリウムから生成されます。
酸化ガリウムは、インジウム、ガリウム、酸化亜鉛で構成されるスパッタリングターゲットに使用されます。IGZOもしくはGIZOスパッタリングターゲットは、高いパフォーマンスが求められ大電流、高画素密度が必要とされる次世代ディスプレイに使用されます。GIZO材料はアクティブマトリックス駆動のTFT液晶の高速駆動に必要な材料となります。
- 三塩化ガリウム
三塩化ガリウムは、ガリウム誘導体化合物の理想的な前駆体で、化合物半導体やLED照明の製造に広く使用される有機金属気相成長法(MOCVD)で使用される、ガリウムベースの有機金属前駆体であるTMG(トリメチルガリウム)の出発材料となります。
その他、電池産業における塩化ガリウムの使用も重要な用途となります。特に一次電池の塩化リチウムチオニル(LTC)バッテリーに使用されています。LTCバッテリーにおいて、塩化ガリウムは電解質塩(LiGaCl4)の前駆体として使用されます。
塩化ガリウムは非常に腐食しやすく、取り扱いの難しい材料です。使用可能な容器の材質は、耐腐食性を持つハステロイ(特殊なNi合金)、もしくはホウケイ酸ガラスに限られます。標準的な塩化ガリウムは常温で固体で、溶解(融点:~80℃)するか、化学溶媒を使用し溶かして使用します。
Indium Corporationは、粒子状の塩化ガリウム:EZ-Pour®を開発しました。EZ-Pour®は不純物の添加による誘導によらず粒状になっており、化学反応装置等に容易に注ぎ入れることが可能です。
EZ-Pour®の容器はホウケイ酸ガラス製で、キャップはPTFEライナー付のPBT製のものを使用しており、温度、圧力測定、充填量確認に使用される高価なハステロイ容器と継手は必要としません。
- 酸化ガリウム(Ⅲ)
酸化ガリウムとは、Ga2O3、酸化ガリウム(Ⅲ)の通称で、白色粉末で棒状の結晶構造をしています。
β相が主な結晶層となり、Ga2O3の棒状結晶は凝集して大きな2次粒子となります。
酸化ガリウムは蛍光体や固体酸化物燃料電池のカソード、ピエゾ素子、GGG結晶等に使用されており、最近ではGIZOやIGZOのスパッタリングターゲットの材料として使用されています。これらのスパッタリングターゲットはガリウム、インジウム、亜鉛、酸化物で構成されています。GIZO、IGZOは、ディスプレイの画素を 制御する薄膜トランジスタ―の高速駆動を可能にする材料で、有機ELディスプレイ等が注目されるフラットパネルディスプレイ市場にとって最も魅力的な材料とされています。
化合物名 | 化学式 | CAS番号 | 分子量 |
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Gallium oxide Gallium sesquioxide Gallium (III)oxide Gallium (III)trioxide |
Ga2O3 | 12024-21-4 | 187.44g/mol |
フラットパネル製品、SOFC、ピエゾ素子製造における酸化ガリウムの使用についてのより詳細な情報については、お問い合わせ下さい。
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